軽井沢辞典

2023.07.03

2023年夏を待つ軽井沢

先週6月の最終週、雨模様の天気では12℃の気温で肌寒いどころか、かなり寒かった軽井沢ですが、今日は梅雨の中休み、綺麗に晴れ上がりました。

首都圏では30℃を超えて真夏日となっていたようですが、軽井沢では最高気温は26℃、木陰に入れば気持ちよく、涼しい風が肌を撫でます。

東京と軽井沢には当然気候の差があるのですが、特に梅雨時には東京から軽井沢に来るときの服装の調節が難しく感じられます。東京では連休の後くらいから気温は徐々に上がり、それにつれて人間の身体も汗腺が開き夏モードへと変化して来ますが、そんな時軽井沢の梅雨寒に襲われるとダメージが大きいのです。

さて夏の軽井沢が最近暑くなったという声をよく聞きます。確かに、温暖化の影響で全世界的に気温が上がっている昨今、軽井沢とて例外ではないのでしょう。しかし、同じ軽井沢であっても、夏の日差しがアスファルトの上に降り注ぐツルヤの駐車場と、周りを樹々に囲まれた別荘の中では、気温がまったく違います。

わたしの今までの経験では、梅雨明けから1,2週間、時期にして7月中旬から八月初旬の軽井沢は確かに暑くなりますが、もしあなたが、緑の多い別荘地の戸建てで過ごしているなら、暑さはかなり耐えられると感じます。もちろん、これはわたしの個人的な感覚ですが、、、

逆に例えば、軽井沢駅北側から旧軽井沢銀座へと続く商業地では、地面も舗装されており、樹々が少ないので、ここではエアコンが必要だろうな、と感じてしまいます。

元々、夏だけ滞在する”避暑地”として始まった軽井沢ですが、家の断熱性能の向上とともに、1年を通じて滞在する保養地へと変貌を遂げています。それに伴い、家を建てる際に、陽ざしを求めて敷地内の樹々が多く切り倒されるケースが増えていると感じます。

確かに、人間の暮らしは自然とのせめぎあいという側面を持っているので、必要最低限の日差しを求める気持ちはわかります。そして、施工上都合から、樹々を切ることを推奨するビルダーも多いのです。

しかし、ちょっと待ってください。旧軽井沢に現存する明治・大正時代の別荘は、森の樹々の中に平屋でちょこんと建てられています。あたかも、森に間借りさせていただきますと言わんがばかリに...

さて今年も軽井沢に夏がやってきます。古くて新しい保養地の軽井沢、、人間と自然の付き合い方に関しても、いろいろと考え方を提示してくれているようでもあります。

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