軽井沢辞典

2022.12.10

チューダーハウス#2建築開始!

軽井沢に2軒目となるチューダーハウスの建築が始まりました。ゲストに好評いただいているチューダーハウス#1の隣の敷地です。来年に完成した後は、2軒ハーフティンバー造の家が森の樹々の間にその姿を見せてくれるのが、今から楽しみです。

チューダーハウスの最大の特徴は、20㎝角の無垢材を構造材として贅沢に使用している点にありますが、構造的にいうと木造軸組住宅に分類され、これは一般的な在来木造と同じカテゴリーに入ります。しかし、在来木造で使用する柱は10.5㎝か12㎝であるのに対して、チューダーハウスは20㎝ですから、はるかに太い木材を使います。

また在来工法では柱と梁を連結するのに金具を多用しますが、チューダーハウスでは基本的に+と-の仕口を刻みお互いにはめ込んだのち、木栓で止める方法がとられます。これは伝統木造工法とも呼ばれ、昔から日本の民家などで用いられてきた方法と同じものです。

この建築の主役となる材木ははるばるカナダから運ばれて来て、今福島の製材所で加工されています。

木材が加工されている間、現地では基礎が完成しました。チューダーハウスのコンセプトは、伝統と性能の融合です。太い柱と梁は壁の中に隠されずに、家の外からでも中からでも見えるので、は太い木材が家を構成する構造美がチューダーハウスの最大のハイライトです。

しかし、家が美しいだけで性能が伴っていないと、それはいい家と呼ぶことはできません。寒冷地軽井沢では、これから訪れる寒い冬でも暖かく快適に過ごせることが必須なのです。

暖かい家とするために効果的なのが基礎断熱です。家の下の断熱は通常床で行われることが多く、その場合には基礎の中、床下空間は外と同じとなります。しかし、考えてみてください。冬の夜などは自分の家の床下は零下の寒風が吹いているのです。いかに床が断熱されているといっても、これでは足元がスースー、いわゆる底冷えを感じることは避けられません。

基礎断熱では基礎の中、床下空間に外気を入れません。そして基礎のコンクリートだけでは十分な断熱性能が得られないので、基礎の立ち上がりに断熱材を置きます。下の写真で青いものがその断熱材です。

このようにして床下を十分に断熱した後は、温水放熱器を床下に置きます。これにより、足元が30-40度のちょうど人肌の快適な暖かさが得られます。また、水道管を床下に配することで、家を空ける時でも水抜きが必要ありません。

さて、これから年末、そして年明けに柱を建てる上棟作業が計画されています。これからその建築の進み具体をこちらでも随時ご報告していきたいと思います。

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