軽井沢辞典
2023.04.12
2023軽井沢の春の訪れ
12月、1月には多くの別荘の水道を凍らせた今年の冬の出始めはなかなかのものでしたが、2月中旬以降に冬将軍は早々と退場し、その後の春の歩みはいつになく早い、2023年の軽井沢です。
”軽井沢の桜はどう?” 緑が美しい軽井沢ではさぞかしサクラも綺麗だろうと想像して多くの方に聞かれるのですが、実は軽井沢には桜はありません。いや、正確にいうと春の訪れを告げて咲き乱れるソメイヨシノは軽井沢にはありません。この花魁にも似て、狂わしいほどの美女には、軽井沢の気候は少々寒すぎるようです。
しかし華美なソメイヨシノの代わりに軽井沢の山では、山桜が清楚なその美しさで佇んでいます。
余談ですが、同様の理由で軽井沢には杉が生えていません。ヒノキでさえ軽井沢の冷涼な気候は敬遠すると見えて、近い樹種のヒバがメインです。
杉は生えていなくても、軽井沢にも春のアレルギーはあると感じます。ゴールデンウイークには軽井沢にも人が押し寄せ大混雑となりますが、この時期はまだ新緑も出ておらず、森は発芽一歩手前。この時期に森に入ると、木々の生命力のようなものを感じてわたしは変なアレルギーにかかってしまうことが度々です。子供もしばしば熱を出します。まさに、生の営みのエネルギーとはすごいものです。
早春を告げる花としてサクラはなくても軽井沢にはこぶしがあります。10mを超える高い幹に可憐な白い花をつけるこの花は、軽井沢町の町花にもなっています。
普通、このこぶしが先始めるのは連休前くらいなのですが、今年はなんともう満開、、美しい花を楽しむ反面、否応なしに進む温暖化には危惧の念を禁じ得