軽井沢辞典
2021.07.16
緊急投稿ー軽井沢は建築ラッシュ!
軽井沢に建築ラッシュが訪れています。 試しにネットで現地のビルダーに連絡して、
”軽井沢に家を建てたいんですが、、”と持ちかけてみてください。 彼らは、喜ぶと思いきや、
”う~ん、いつぐらいに完成をお望みですか? 今すぐは難しいですねー” などと思いのほか渋い反応を示してくるでしょう。
仕事は欲しいのに、今抱えている注文で手一杯で、追加の仕事を受けることができない。今、軽井沢の建築業界はこのような贅沢な悩みを抱えています。
いったいどのような理由で軽井沢でそれほど多くの人が家を建てているのでしょうか?
個人的な考えですが、この軽井沢での建築ラッシュには明らかにコロナ禍が影響しています。そして結論からいって、今までセカンドハウス需要がメインであった軽井沢に、ファーストハウス需要が流れ込んでいるのです。
約1年前、東京の街がロックダウンに沈んでいた頃、これでついに東京の人口が減る!とまことしとやかに語られたことを覚えておられるでしょうか? あれから1年、今のところ東京の住宅に対する需要が減少する兆しは見られません。それどころか中古マンションなどは需要が高まり過ぎて、充分に販売できないなどという不動産会社の悲鳴すら聞こえてきます。
最初のロックダウンの頃、テレワークという耳慣れない言葉があっという間に流行語になりました。そして、働くのにオフィスに行く必要がないのなら、何も家賃の高い東京に住んでいる理由はないのではないか? このような類推から、人口の東京流出が予想されたのです。
しかし、あれから1年、事態は予想通りにはいかなかったことは先に述べた通りです。やはり思い切って脱出するには東京はあまりに魅力的過ぎるのかもしれません。しかし、ここに拡大版東京、英語でいうと Greater Tokyo として軽井沢がクローズアップされてきたのでしょう。新幹線で1時間、信越道を通って車で2時間のアクセスを持つ軽井沢は、東京24区との異名を取ってきました。それだけ、東京と軽井沢の間には人とおカネの流れに太いパイプが存在します。実際、コロナ前でも軽井沢には100人超の新幹線通勤族が存在していました。
それがコロナ禍によってファーストハウスとしての軽井沢がクローズアップされてきたのでしょう。もし、週5日毎日東京に通勤する必要がないのなら、新幹線代の負担も減ります。そして、コロナ禍でも人々が東京に固執する最大の理由~文化が、東京ほどではないにしろ軽井沢には存在します。 文化とは、たまに訪れる美味しいレストラン、カフェ、あるいは美しい街並みです。おっと自炊に欠かせないイケてる食材を提供してくれるツルヤは、軽井沢の文化を高めている最大の要因でしょうね。
だから、いざ東京脱出を考えるにあたって、その行動をためらわせるような文化格差が軽井沢には少ない、そして東京では得難い美しい緑と澄んだ空気がある!ということで、今軽井沢にはファーストハウス需要が流れ込んできているのです。
ながらく避暑地、保養地として名をはせてきた軽井沢、つまりここでの住宅需要はセカンドハウスがメインでした。このような軽井沢が都会人たちの住居としての光が当たろうとしている、これはまさしく前代未聞です。そして、多くのメリットとともに、今後問題も発生してくると思われます。
今後もこの問題に関して、記事を上げていきたいと思います。