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軽井沢の冬への備え

標高1000mの高地に位置する軽井沢の冬の気候は、いうまでもなく厳しいものです。そもそも、軽井沢は明治時代に避暑地として見出されたので、夏のしのぎやすさが重要で、冬にまで滞在する人はそれほど多くありませんでした。それだけ、軽井沢の、特に三方を山に囲まれて森が広がる旧軽井沢地域の冬は厳しく、定住者の間では、中軽井沢〜追分〜そして御代田と西にいくにつれ暮らしやすくなるとは一種の定説となってきたのです。

しかしながら時代は流れ、今軽井沢で家を買い求める人で、以前のように夏の滞在だけが目的という人はそれほど多くありません。春、秋はもちろん冬の通して軽井沢に滞在したいと考えて家を買い求める人が大多数であるように思われます。

それでは、厳しい軽井沢の冬をどのようにして快適に過ごせるのでしょうか?

まず第一に考えなければならないのは家の断熱です。そもそも軽井沢の伝統的な別荘は夏の使用しか考えられていませんでしたから、断熱材が入っていません。古い別荘で傾斜地では、基礎も独立基礎で高床式、寒風がぴゅうぴゅうと吹き抜けます。これではとても冬を過ごすことはできません。

今建てられる家では流石に壁に断熱材が入っていないということはないでしょうが、それでも欧米に比べて残念ながら日本の住宅の性能は劣ってきました。典型的なのがアルミサッシのシングルガラス。これでは窓を閉めて折角室内を暖めても熱はどんどん窓から逃げていきます。

そして外の軽井沢の冷たい空気に冷やされたサッシには結露がびっしょりと着きます。軽井沢のような寒冷地ではサッシは断熱性が高い木製か樹脂製が望ましいでしょう。そしてガラス面からの熱損失を少なくするために、12mmの空気層を持つペアガラスを入れると、窓に近づいてもひんやり不快な想いをすることがなくなります。

そして、もちろん重要なのが外の冷たい空気を室内から遮断する断熱。断熱にはどのような材料、すなわち断熱材を使うか、そしてどこを断熱するのか? つまり壁なら壁の中に断熱材を詰めるのか(=充填断熱)、上は天井かそれとも屋根断熱、そして下は床断熱、それとも基礎断熱かという様々な選択肢があるのです。以前から、この断熱方式が最高!という人々が自説を主張してくることが多いですが、しかし、家の断熱に1つの正解は存在しません。時と場合、予算や立地によって、最前の手段は変わってくるし、そしてもちろん無視できないのが住む人の感性です。

どちらにせよ、寒冷地の軽井沢では充分な断熱をすることが必要です。一般的に使われるグラスウールでももちろん施行方法によっては暖かい家を建てることはできますが、板状のポリスチレンなどを家の外側からぐるりと囲う外張り断熱や古新聞師を粉砕したセルロースファイバーをブロワで吹き込む方式などこだわりの断熱方法もいろいろあります。

寒冷地だからと床暖房を好む人が多いですが、下の断熱つまり床あるいは基礎を充分に断熱しないと床を暖めてもその熱が床下から外へと逃げてしまう、床下断熱になってしまっては意味がありません。また、床暖房は人が接する床の温度が体温より高くなるので、不快に感じる人もなかにはいます。

どちらにせよ、軽井沢に別荘を建てる時には断熱、そして暖房方法をセットで考えることが必要でしょう。

充分な冬対策を施した暖かい家で外でしんしんと雪が降る森を眺める、暖炉の火に乾杯などという上質の冬の時間も軽井沢の贈り物なのです。