軽井沢辞典
2023.01.07
本物のチューダーデザイン~ハーフティンバー住宅とは?
家を1軒建てることは無数の決断を下すことでもあります。 この決断の量があまりに多いものだから、”家を建てると死人が出る”とか”家は3軒建てないと満足のいくものは建てられない”とか揶揄される所以です。
試しに本屋に行って家づくり関連の棚を覗いてみると、それはもう目がくらむほどの本が並んでいます。そしてそれぞれの本のテーマも実は千差万別で、木の家押し!の本から、いい家が欲しい、いい家とは快適性の高い家という主張、はたまた、頑丈なヘーベルハウス、レンガの家などなど。言い換えれば、家づくりとはそれだけその人の個性、関心の対象が如実に現れ出る、ある意味でその人の人生の縮図ともいえるのかな、と感じてしまいます。
無数にある家づくりの論点の中でも、特に大きいものに構造とデザインを上げることができます。人それぞれ良い家の定義はさまざまですが、しかし、弱い家が好みという人はまさかいないでしょう。日本では伝統的に住宅中古市場というものが確立して来ませんでした。なぜか新築がもてはやされて、家は”上物”という蔑称で呼ばれ、住民が変わるたびに壊しては建てるという行為が繰り返されてきたのです。しかし、これはどう考えてもサステナブルではありません。SDGsの必要性が声高に叫ばれる中で、住宅もいままでのスクラップアンドビルドから脱却することが必要とされていますが、そのためには頑丈な構造が必要です。
チューダーハウスのベースとしている北米のティンバーフレームはそのルーツを日本の木造軸組工法に発していますが、大きな違いは太い柱にあります。日本の木造在来工法では柱は10.5cm、太くても12cmが普通ですが、ティンバーフレームに用いられる柱の太さはなんと20㎝!2mの柱でその体積比はなんと2.8倍もあるのです。いうまでもなくこのような構造を持つ家は頑丈です。そして、数十年経ってもびくともしない頑丈な家ならば、新しい買い手も安心して買うことができるでしょう。
チューダーハウスは北米のティンバーフレーム住宅にさらにひねりを加え、この頑丈無比の構造をデザインとして生かします。 構造体を壁で覆わずに外に露出することであの印象的なデザインが出来上がるのです。
具体的には柱と柱の間を壁とすることでこの壮大な木の軸組が家の外からでも室内でも眺めることができるのです。
構造とデザインの融合、このような特性を持つ家としては、ログハウスやコンクリート打ち放しなどの家も上げることができます。
柱と柱の間を埋める壁のことを専門用語で真壁と呼びます。古来の日本の民家もこのような真壁構造を取ることが多かったですが、柱が細いと壁が薄くなってしまいます。柱の厚みを超えた壁とすることはできませんから。直径20㎝の大径木を使用するティンバーフレームでは、壁も最大20㎝の厚みを取ることができます。 寒い軽井沢の冬を快適に過ごすための断熱材もこれならたっぷりと取ることができます。実際、軽井沢に似た寒冷な気候のカナダでは2×4を2×6アップグレードすることが一般的です。これにより断熱材を6インチすなわち14㎝も入れることができるのです。
白い壁に黒い柱が印象的なチューダー調デザインは昔のペンションなどでよく用いられましたが、多くは壁に薄くスライスした木材を張ったものでイミテーションです。
家を支える構造美をそのままデザインとして利用する本物のハーフティンバーの家、チューダーハウスにご興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。