軽井沢辞典

2021.12.09

素敵な別荘~ 天窓に関する意外な盲点/

別荘、セカンドハウスを自分で建てる幸運に巡り合えた人は、自分の心の中にある夢の家をどのように作り上げるか、大変ながら同時にとても楽しい時間が待っています。

軽井沢は森の中にあるので、ヨーロッパで一般的な急こう配の三角屋根の別荘がよく見られます。屋根の勾配は、a/10 という形で表現されます。当然 a が大きければそれだけ屋根は急こう配。 8/10 だとかなり傾斜がある感じになり、10/10、すなわち直角の屋根はカネ勾配と呼ばれ特別感もぐっと増してきます。

屋根が急こう配ということは、屋根の面積が大きくなるということ。一般的に屋根のてっぺんを高くしないと屋根が壁に降りてきて、2階の部屋がいわゆる屋根裏部屋の趣になります。

このように屋根に遮られて壁の高さが低くなることがあるので、部屋が暗くなることも要注意。

このような急こう配屋根の家で多用されるのが天窓です。

天窓を付けると屋根の一部が窓となります。角度的に窓が空を向いているので天窓から部屋に入ってくる光の量が、通常の窓の何倍にもなり、部屋の解放感が一気に増すという優れものです。

しかし、軽井沢の別荘で天窓を付ける際に気を付ける点があります。

天窓で圧倒的なシェアを誇るベルックスの仕様の標準仕様はこのようになっています。

しかし、建築基準法により、防火、準防火地域では網入ガラスの仕様が義務付けられているのです。したがって、この地域で天窓を使うには外側のガラスを網入に変更することが求められます。

防火、準防火地域というのは、建て込んだ地域で火災の延焼を防ぐための法律です。つまりは都市部です。一見、森に囲まれた軽井沢では関係なさそうに思えますが、実は22条規定というものがあり、軽井沢でも天窓のガラスには網入ガラスが求められるのです。

網入ガラスが使われる理由は、火災の際に爆発的に窓が燃えてガラスが飛び散ってけがをしたり、隣地への延焼を防ぐという点にあるようです。しかし、ベルックスによると、彼らの天窓に網入ガラスを入れると純正品ではなくなるという姿勢を取っているようです。

もし、天窓になにもなければ問題はないのですが、万一網入りガラスが割れた場合が厄介です。純正品扱いをされないから、ベルックスは無償で交換をしてくれないのです。

上のベルックス構造図で示されているように、天窓の外側のガラスには透明強化ガラスが使われています。窓が屋根に付けられて上を向いているという構造上、強いガラスが使われているのです。

このままの純正仕様で軽井沢の別荘にベルックスの天窓を使ったら、火災に関して何か問題があるのか?

よくはわかりません。

家の安全を確保するための法律ですが、中には規制が過剰で実際の建築コスト、仕様方法に制限がかかることも発生しますが、この天窓の網入ガラス規制もその1つなのでしょうか?

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