軽井沢辞典
2021.10.16
軽井沢暖炉考
温暖化の影響で夏の暑さが長引いていますが、それでも軽井沢の夜には火が恋しい温度に下がってきました。
例年、軽井沢の紅葉は10月後半が見どころですが、夜間の気温が7~8度くらいにまで下がると、樹々の葉が色づきだすと言われています。この温度だと、やはり家の中で暖房が欲しくなってきますね。
当然、暖房にはさまざまな種類がありますが、暖炉は軽井沢では最も人気の高い暖房方法の1つです。都心ではななかなか難しい、無垢の木を燃やして暖を取る贅沢、、、最近別荘オーナーの間で、冬の人気が高いですが、暖炉に火を灯すことを、冬の軽井沢での楽しみに上げる人も数多くいます。
一口で暖炉といっても、実は暖炉には2種類があることをご存じでしょうか?
狭義の暖炉とは、伝統的なものでこれは家の中の焚火です。つまり開放的な構造になっています。
開放的という意味では、日本古来の囲炉裏と同じです。ただ、囲炉裏には煙突はないですが、暖炉にはあります。囲炉裏が一般的だった日本の民家では、茅葺屋根などで気密が非常に低く、煙がそのまま屋根から抜けていったからこそできた芸当で、気密性の高い現代の家では不可能です。
ヨーロッパでは昔から気密性能が高いレンガ積などの家が一般的であったので、暖炉で暖を取るには、当然煙突が必須だったのです。
開放的な暖炉はとても楽しいものです。薪がパチパチとはぜる音を聞きながら、柔らかな遠赤外線に身を浸す贅沢は、他の暖房では到底得ることのできないものです。
しかしながら、開放型暖炉は簡単にいって排煙装置付室内の焚火ですから、とてもローテクです。 せっかくの薪が燃焼した熱の多くは煙突から逃げていってしまうので、火に直接あたる暖かさが主となります。
このような開放型暖炉の燃焼効率の悪さを改善した、ハイテク暖炉が薪ストーブです。
見ての通り、薪ストーブでは鉄や石などの箱の中で薪を燃やすので、燃焼のための空気量を調節することができます。充分に室内温度が暖まった後は、空気弁を絞って少量の薪をチロチロと燃やす、などという芸当が可能なのです。もちろん、暖炉ではこのような操作はできません。
さらに薪ストーブでは、薪の成分を徹底的に燃やすことで、同じ薪から発生する熱量を最大化するような技術が用いられています。
さて、薪が燃える音、暖かさの肌触りを直接感じられる暖炉、1台で家全体を暖めることすら可能なハイテク薪ストーブ、
あなたの軽井沢の冬のチョイスはどちらでしょうか?