軽井沢辞典
2023.01.19
構造美際立つティンバーフレーム別荘
あなたは家に何を求めますか? 断熱などの快適性、地震にびくともしない強さ、あるいはデザイン=美しさ?
家づくりが往々にして複雑になるのも無理ありません。家というものはそれだけさまざまな側面があって、何千という部材で出来上がっているのですから。
軽井沢に家を建てて4軒、、わたしの好みは構造美です。
家の構造はいろいろあります。一番一般的な木造~木の家から、鉄筋コンクリート、鉄骨などなど。自分の家を建てよう!となったらまずは構造をどれにするか、それによって建ててくれるビルダーも変わってきます。デパートみたいにどれでもできるよ!という会社もあるでしょうが、しかし普通はそれぞれ得意な構造は1つ決まっているからです。
わたしがティンバーフレームにぞっこんなのは、その構造美にあります。構造美~すなわち構造とデザインが一体化している家、それがティンバーフレームです。
ティンバーとは英語で木材のことを言います。大体角材を意味することが多い。だから、木の家でも丸太を使うログハウスとは別の種類です。厳密にいうと、ログハウスとは木材を横に置いて積み重ねて壁を構成していく工法であり、丸太を使うログハウス(=ハンドカットログ)と角材を使うログハウス(マシンカット)に分類されるのですが。
木材を縦の柱、そして横の梁で構成していく家を木造軸組工法と呼びます。そして、いわゆる日本の在来木造とティンバーフレームはこの範疇に入ります。
では、ティンバーフレームは日本の木造と何が違うのでしょうか?
1つは柱の太さ、在来木造では柱は太くても12㎝が一般的であるのに対して、ティンバーフレームではなんと20㎝! これは当然、頑丈な家となります。また、在来では木と木をつないで強度を出すために金具が多用されるのに対して、ティンバーフレームでは金具を使いません。
木材と木材をプラスとマイナスに加工し、はめ合わせ、そして木釘で止める。これもティンバーフレームの大きな特長です。
しかしながら、わたしが思うティンバーフレーム工法の一番の特徴は、構造美にあります。もちろん日本の在来工法の家にも美しいものはたくさんあるでしょう。しかし、現在では木造の柱は壁に隠されてしまうことが多いのです。だから、普段住んでいて、木の家に住んでいるということを意識しないことさえ起こります。
それに比べて、ティンバーフレームのいい意味での目立ちたさが極めて西洋っぽいと感じます。せっかく美しい木材で家を形造っているのだからそれをデザインにも活かそう、というわけです。
これらの写真は今建築中のティンバーフレームの家です。この見事な木材は、これから壁が張られていってもその中に隠されることはありません。住宅建築で家が完成した後に露出して施主の目に見える部材のことは化粧と言います。つまり、仕上げとして目に触れるから綺麗に仕上げねばならないのです。
このように構造がデザインを構成するティンバーフレームの最大の見せ場が、Hammer Beam~ハマービームと呼ばれる構造です。
室内に鎮座する大きな凸型の木の組み合わせがハマービームです。どうです、派手でしょ?笑
この美しいティンバーフレームの骨組がどのように家として完成していくか。今後の記事もご期待ください。