軽井沢辞典
2021.09.30
軽井沢の理想の家って? #4 Skelton Infillの意味を考える
以前の投稿でスケルトン インフィルという言葉を挙げたことがありました。スケルトンとは骨格、つまり構造、インフィルは内装です。
なぜこの言葉を取り上げるかというと、日本の家造りにおいてこの2つがごちゃ混ぜになっていて、正しく区別されていないことがままあるからです。
なぜ構造と内装が正しく分けられていないか? この現象は、中古住宅市場が確立していない、日本の不動産市場の特異性と分かちがたく繋がっています。構造と内装を分けて考えないから中古住宅の取引が活性化しない、または中古住宅取引が活性化しないから、構造と内装を分けて考えられることがない。原因と結果が絡み合っています。
スケルトン~構造は定量的で、これに関しては正解があります。
”いやぁ わたしは実は弱い家が好きでしてね” という人はいないでしょう。
それに対して、ペンキ仕上げの壁、あるいはクロス、珪藻土、フローリングは無垢の板あるいは大理石、キッチンの仕様はどうするか? すべてその人の好み次第です。
つまり、インフィル~内装は定性的、つまり個人の主観がものを言い、そこには絶対的な正解はないのです。
絶対的に強い必要があるという真実がある構造と、個人の好みによる相対的な内装、なぜこの2つを区別しなければならないかというと、それはひとえに中古住宅取引のためです。ここが日本の住宅市場で最も欠けている点で、家といえば新築ばかりがもてはやされ、中古になると”上物”などと蔑称で呼ばれます。
しかし、流石にこのような資源の無駄使いの状況は変わる必要があります。
2人以上のオーナーに住ま継がれるだけの頑丈な構造を備え、そしてオーナーチェンジの際には、新オーナーの好みで好きなように内装を変更、リノベーションをしたうえで、1つの家を複数の家族で大切に住み継いでいく。
日本でのSGDs推進のためにも、中古住宅市場の整備が強く求められています。そのためにもビルダー、そしてなによりも施主がSkelton Infillの意味をよく理解し、自分の家造りにそれを反映する姿勢が求められているのでしょう。